物の寿命は使い手次第。

 インジェクションになってからのA/Tは「短命だ」とか「よく壊れる」などと言われます。ご存じの通りミニのA/Tは、1960年代初頭に設計されアいわばA/Tの先駆とも言える機構です。ADO16やバンデンプラス等このA/Tを採用した車は数多く、機構こそ旧いものですがかなりよくできています。
 さて、そこへインジェクションという新しい燃料システムを組み合わせると…?インジェクションとは、キャブレターがやっていたことや人がチョークをしいて調節していたようなことなどをコンピューターで制御するシステムです。エンジンは本来温まるまではふけませんが、悪いことにインジェクションシステムはそこをもカバーしてしまうのです。もしエンジンが冷えている時に、ドライバーが無神経にもアクセル全開・急発進してしまっても、律儀というか何というか、調整してしまいます。普通に走れてしまいますが、エンジンにはもの凄い負担になります。現代車は、エンジンのほうもインジェクションシステムに合わせて改良が進んでいますのでダメージはさほどありませんが、ミニについては残念ながら旧い機構なのでハッキリいってついていけません。最新の技術と古典的なそれとが融合しきれずに混在しているのがインジェクションのミニ、です。ましてミニはエンジンオイルもミッションオイル共有する独特の構造です。A/T車においてはトルクコンバーターも共通のオイルを回しており、油圧で多くの制御を行います。当然エンジンオイルが温まるまで急な作動は控えなければなりません。一部を電子コントロール化したために、このバランスが崩れてしまいました。便利なシステムではありますが、ドライバーが車の調子に気を配る、というキャブレター車では当たり前だったことがなくなってしまいます。このような人的要素も加わって、いわゆる「短命」だったり「よく壊れ」たりするのです。でも、これって本当に「壊れて」いるんでしょうか。もしかして「壊してしまっている」というほうが妥当な気もします。冷えたエンジンはふけない、ということを理解した上で、ちょっとの気配りをしてインジェクション車に乗っていれば、無茶もしないので長持ちするでしょう。つまり物の寿命は使う人次第なのです。
 クーラーについてもそうです。使うのは大いに結構。ただ、もともとはついていない、ということと当然付加がかかるということを頭の片隅に忘れずに、車の調子に気を配ることが肝要です。車とコミュニケーションできれば、トラブルも未然に防げますし、何よりもっと車が楽しくなります。

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