今更グレイスが『レプリカ』を作る理由(わけ)

 年間数台のペースでオリジナルMk1・2のレストアを手掛ける私たちですが、皆さんの想像以上にそれはそれは手のかかる作業です。オリジナルと対極にあるレプリカは基本的に作ってきませんでした。何故なら、1台レプリカに化ければその分、ある年代の1台が消えることになってしまうからです。
 昨今、日常的によそのレプリカを見るようになり、加工のしかたやいたみ具合に目を覆うことがよくあります。でも、車のカスタマイズは基本的にオーナーの好み。こうなってきた時に、私たちプロショップとして考えざるを得ないと思うに至った訳です。どんなミニでも、マスコットとしてではなく現役の道具として成り立たせるのが我々の仕事だからです。安全性・耐久性はもちろん、総合的にみてきちっとしたものを作れないだろうか…。
 熟考しテストを繰り返し、行き着いたグレイスのレプリカの鉄則がこれです。
  ・その車の元の仕様にきちんと戻せるように作ること。
  ・当時もののオリジナルパーツは決して使わない。リプロダクションパーツでまかなう。
かけている手間は何ら変わりません。むしろ見えない苦労がたくさんあります。できあがったもののクオリティをとくとご覧下さい。


 さて、最近雑誌を見ると「1000ccを見直せ!」とか、「残せ!」という特集記事を見かけます。ハッキリ言って今頃そんなことを言っているようでは遅いのです。15年前、20年前のMk1・2の立場がまさに今のミニ1000。この辺りのモデルでも生産から20年近くが経っている訳で、相当手を入れないときちんと直りません。で、車の現状はどうでしょう??ちょうど20年位前、一時新車の輸入が途絶えた時を写しているように思えてなりません。小細工でちゃちゃっと直して、さもきちんと直っているように見せかけ実はハリボテ。同じ事をやっているから結果も昔と変わらないはず。またしてもたくさんのミニの息の根を止めることになってしまうでしょう。
 私たちは違います。私たちの作業を是非見て下さい。基本的に外注はないので、つぶさに全課程をご覧頂けます。述べたように車両の経年数・コンディションを考えると、やるべきことが大掛かりになってしまうので、正直なところ私たちの作業・手間と提示する金額とはつり合っていません。でも、ライフワークとしてミニと向き合って、どんなミニでも手をかけています。オリジナルもレプリカもありません。きちんと作っています。だからグレイスには元気なミニがうじゃうじゃいます。

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