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2009年 MANX Rally 参戦記(後編)
-あんなことこんなこと、16人の同行クルー珍道中-
7月12日
完走の余韻もそこそこに、翌朝ヘイシャム行きのフェリーで夢の島マン島に別れを告げ、メインランドへ。
道を間違えたりしながら、ラリー車他レンタカー3台で現地拠点サウスポートへ戻りました。先に帰国するメンバーがいるので、全員揃うのはこの日が最後。
現地人が「ちょっと高いけど、でも美味しい!」と絶賛するイタリアンで、打ち上げ&フェアウェルパーティーをしました。
ここまでの日程、スケジュールがタイトで食事がお粗末だったり、うっかりすると食べそびれたり、睡眠が満足に取れなかったりもして、
旅の疲れを増幅するようなハプニングもありました。でも、参加したメンバー全員がいろいろに思うところのあったマン島での日々だったことでしょう。
今回は幼児が2人、同行しました。12時間のフライトに始まり、大人のスケジュールに振り回されてさぞ迷惑した事でしょう…。
まだよくわかってないかな?おそらくこんな小さい頃の出来事など覚えていないのでしょうが、日常とはかけ離れた広い世界を見たことが、潜在意識の
奥底に某かでも残ってくれればいいなぁ、と異国の地をタッタカ歩く彼らの背中を見ながら思いました…。ぐずってぐずっていたたまれなくなった親たちや、
騒がしくてかなわなかった周りの迷惑も報われるというものです。
7月13日
朝早く、先に帰るメンバーはマンチェスターへ向け出発していきました。そしてまたしてもフライトでトラブルが…。
ヒースロー行きの飛行機が、一度ゲートから離れたにもかかわらずエンジントラブルで!!!飛行中止。(もしそのまま飛んでたら…)
子供がいる事を再三アピールして、半ば無理矢理別の便でヒースローへ。
当然、乗るはずだった昼の BA 成田行きはもうおらず、振替で夕方の ANA に滑り込み何とか帰国となったそうです。
BA とはだいぶサービスが違い、日本の航空会社に殆ど乗らないのでかなり新鮮だったようです。
さて残ったフルスケジュール組は、サウスポーとで現地パートナーにラリー車を預け、彼に感謝と別れを告げてウェールズの友人宅へ向け移動しました。
リバプールからバーケンヘッドに渡る海底トンネルを使おうと出発したのはよかったのですが、ここ数年でできたたくさんの新しい道のおかげで迷いに迷い、
やっとこさトンネルを抜けけました。
天候がコロコロ変わるのはこの国ではいつものことですが、今回のイギリスは、雨の降り方がこれまでの経験とはずいぶん変わっていました。
ラリーが終わった直後、その終了を待つかのようにしてドカ雨が降ったのですが、正直驚きました。小糠雨がしとしと降って、というこれまでの記憶とはあま
りにもかけ離れていました。南下しながらも天候はコロコロ変わり、ワイパーが追いつかない程の雨がまとめて降ったと思ったらすぐはれたり、なんだかとて
も違和感がありました。
ひょっとしたらこれも地球規模の温暖化の影響かもしれません。マン島に限らずイギリスの一般道は、日本の道のようにピシっと平らで撥水抜群、などあり得
ないのでドカ雨が降ると道はすぐ川のようになってしまいます。きっとこのような降り方は想定外なのでしょう。
ウェールズに近づいてくると、道も町の雰囲気も変わってきます。街の雰囲気が変わるのは、建物の色合いが変わるからです。ご存知の通りイギリスでは地
震がほとんどないので、家は多くがレンガや石積みです。土地の土で作るレンガや採れる石を使うので、その土地の '色' が自ずと出てきます。それが統一感
を生むのです。これから向かうウェールズ南部は黄色っぽい石を使った家が特徴的です。サウスポートが位置する中部のほうは赤土質なのでレンガ作りの街並
みです。北の方へ行くと、濃いグレーの薄く割れる石を使った石積みの家が並びます。レンガや石でできていて、湿気の無い気候、地震もないので100年、200年
経った建物が、民家でも当たり前に残っています。サウスポートのパートナーの住まいも、100年以上経っているテラスハウスです。テラスハウスが多いのも、
イギリス家事情の1つの特徴です。夏は大変爽やかで想像できませんが冬は寒さがとても厳しいので、外と面する壁を減らすことでなるべく室内の熱を外に逃
がさないようにと、テラスハウスが多いんだそうです。
長く経った家は、かなりの部分を住人自身がリフォームします。ホームセンターへ行けば、無垢の木のドアからお風呂から、電話ボックスのようなシャワー
ルームまで、何でも売っています。壁のリフォームはレンガをそのままペンキで塗るのも、ありです。塗料の売り場へ行くと、好みの色に調合できる塗料のミ
キサーが置いてあります。街にはカーペット屋さんもあります。階段に敷く幅の狭いカーペットもロールで売っています。向かっているウェールズの友人は、
インテリアにとてもこだわっていて、大部分のリフォームをいつも自分でやっています。
さて、走っていくと郊外を抜ける道の雰囲気も変わってきます。丘を長いスパンで越えたり、起伏が激しく曲がりくねった道が多くなります。そして結構ハイ
スピードなんです。長く下って上り坂が見えてきたら、どのドライバーも手前から踏んで上りでペースが落ちないように備えます。カーブも場所によってはかな
りタイトですし、緩やかともいえない長いカーブもしばしばです。こんなところで毎日走っていれば、相当運転が上手くなるでしょう。レンタカーでやっとの思
いで走っていると、おばあちゃんの運転に易々と追い抜かれていきます。
そうするうちに、イギリスで一番長いセヴァーン川に突き当たります。この辺りはチップストーという街で、ここから川沿いの道を上流へ少し走ると友人の家
はすぐそこです。川の河口近くにはラリーGB の開催されているカーディフという街があります。2000年のNetwork Q Rally の折には、友人のご厚意で彼の家から
レッキに通ったのを思い出します。
薄暗くなる時分に友人宅へ到着。白を基調にした家は清潔感にあふれ、彼の几帳面さまで伝わってくるようです。彼は日本で暮らした経験があり、玄関で靴を
脱ぐ習慣を「清潔でいい」といたく気に入ったそうで、帰国後自分の家も玄関で靴を脱ぐように変えてしまいました。室内の様子がだいぶ変わっていました。
やはり全部自分でやったそうです。
7月14日
友人も伴って、オックスフォードに程近い "British Motor Heritage Limited" へ。
訪問したい旨、メールを出していたのですが、上手くアポイントが取れず突然の訪問になってしまいました。にもかかわらず、対応してくれた自らもクーパー 'S'
のオーナーというディレクターの男性は、お茶とクッキーまで振る舞ってくれ快く迎えてくれました。その日、実は工場自体は止まっていましたが、中はすべて見
せてもらいました。
※写真をクリックすると、拡大判の写真/説明が表示されます。
ヘリテイジを後にして、友人の案内でバーフォード (Burford) という小さな街へ。お昼をとってから街のメイン通りを少し歩きました。ここは骨董品店の多い街
として知られているそうです。コッツウォールズストーン(黄色がかった石)で作られた家並みには、街の緑がよく映えます。
同伴した友人は Alpine 110 のオーナーで、所属する由緒あるモータースポーツクラブのロードラリーなどに積極的に参加しています。この辺りでラリーのルート
にもよく使われる雰囲気のいいBロードを案内してくれました.車1台がやっと通れるような道を走り、'ford' と呼ばれる浅瀬を渡りました。川底が石畳になってい
て車や馬車が走って渡るように作られています。この辺りの地名には、Oxford や Hereford、Stratford upon Avon のように '〜ford' と付く地名が多く、近くに川
があることを表しているそうです。この辺りの特徴的な道を通りながら、日本人観光客も多く訪れるコッツウォールズの地方の名所、ボートン・オン・ザ・ウォーター
へ立ち寄りました。久しぶりに、仲間以外の日本人を見かけました。
イギリス最後の晩餐は、友人宅から徒歩2分のパプでいただきました。あっという間の2週間でした。明日の今ごろはもう飛行機の中です。
7月15日
目覚めの紅茶をいただいた後、友人にお別れをました。
セヴァーン川にかかるセヴァーンブリッジを通って、ヒースローへ向かいます。レンタカーを返し空港の中で、しばらく食べられなくなるフルイングリッシュブレック
ファーストを食べました。あと1週間ほどイギリスに残るメンバーの1人とサヨナラをして、特に何事もなく順調に帰国の途につきました。
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